1日目の様子はこちらからVV
2日目
聖地4 中島弓具店
この日最初に訪れたのはこちら。作品中では「中崎弓具店」として登場していて、一文字違うだけで店のたたずまいも看板のフォントもそのまま。
店内に入ると、商品の陳列の仕方など細部までアニメで見たそのままで、再現度の高さに驚いた。
並んでいる品物も矢に弓に弦にと、どれもスポーツ用品量販店ではまず見かけないものばかり。矢一つとっても材質が色々あって、恥ずかしながら弓道をかじったことすらない私には違いが分からなかった。
そこまでではないだろうが、作中でも比較的初心者であった遼平が入部当初にここを訪れたことをきっかけに、(半ば強制的ではあるが)店主と風舞高校弓道部との結びつきが生まれた。現実でも、量販店では買えないからこそこのような専門店に通い続けることで徐々につながりが出来ていく、ということはあるのかもしれない。
お邪魔しておいて冷やかすだけなのは失礼だと思ったので、ストラップをお買い上げ。
※撮影にあたっては弓具店の方に了承をいただきました。ありがとうございました。
聖地5 長野県長野西高等学校
次に向かったのは、湊たちの在籍する風舞高校のモデルの一つとなった場所。作品では正門や裏門が描かれている。*1
さて、私は中島弓具店から長野西高校まで歩いて向かった。距離にして4km弱。少し遠いかもとは思いつつ、普段の外出でもなんだかんだ歩いてしまう距離なので、今回も大丈夫だろうと思っていたのだが、
蒸し暑い。日除けがない。そして意外と高低差がある。
というまさかの三重苦を背負っての移動になってしまった。
この日、それまでぐずついていた天気が持ち直したのは良かったのだが、朝から予想以上の陽射しを浴びることになり、しかも天気予報を見くびって帽子や日傘も持って来ておらず。
マスクをしていたのも地味に辛さに拍車をかけていたと思う。周囲に人がいないのを確認したうえで時折外したが、思っていた以上にマスクをしている時・していない時の呼吸の楽さが違った。
そして行程後半にはキツい上り坂。地図アプリを見たら、60mくらい上ったらしい。
2kmで60mの高低差、文字にすると「大したことないのでは?」と自分でも思ってしまうが、マジでその時は辛かったのだ。こちらもいつものように平地を歩く感覚で侮ってしまっていた。
次からは自分の体力を過信しないことと、夏場は必ず日除けになるものを持っていこう。これ今回の教訓。
調べたら、長野駅から出ているバスで高校まで歩いて10分程度のところを通る路線があった。初めからこれを使っておけば良かった。
で、ここまで書いてきたが、撮ろうとすると容易に敷地内が映り込んでしまうので、現地での写真は無し。申し訳ないが、作品がどれだけ忠実かはぜひ自身の目で確かめてほしい。
聖地7 往生地公園
長野西高校のすぐ近くにある。1話冒頭でランニング中の湊とクマの散歩中の静弥が会うシーンをはじめ、数回作中に登場している。
この公園も山の斜面に立地していて、ここへ通じる道もまた勾配がキツく、しかも先ほどの長野西高校よりもさらに少し高い位置にある。
湊の自宅がどのあたりにあるかは明らかになっていないが、先述のランニングではこの公園よりさらに上ったところまで走っていた模様。朝っぱらから大きく呼吸を乱すことなくここまで来れる湊スゴすぎるな…?
聖地8 伺去神社
マサさんが神主を務める神社であり、第1話で湊とマサさんが出会う場所でもある。
最初は勝手に「しざりじんじゃ」と読んでいたが、調べたら「しゃりじんじゃ」だそう。初見じゃ絶対読めない。
神社の近くまではバスに乗り、更に徒歩。ここでまたしてもキツい上り坂である。ただでさえキツイのに、あろうことか地図アプリは歩行者しか通れないような道を提示してきた。
確かにウォーキングコースと書いてある看板もあったし、自動車も通れる広い道に比べるといくらかショートカットにはなった。だからといって、民家と民家と間の裏路地を縫うように進む道のりはなかなかにチャレンジングだと思うぞ。
そうして上ってきた山の中腹に神社の参道の入口がある。ここまででも十分に体力を消耗するが、先程の画像になんと書いてあっただろうか。
そう、更に石段を200段近く登るのである。これは神主のマサさんのいたずら心が具現化したものではなかろうか。(絶対違う)
汗だくになりながら石段を上りきった先に、ようやく神社の社殿が現れた。
神社を訪れたということでまずはお詣り。お賽銭は社殿の扉に開けられた硬貨ほどの大きさの穴に入れてくださいとのこと。
その隣には神社を訪れた人が記念に書き記すノートが置いてあり、パラパラとめくってみると、やはり巡礼目的で訪れている人が多かった。例に漏れず、駄文ながら私も訪れた跡を残しておいた。
社殿の脇に立てられた掲示板には、地元の方が作成した神社周辺の見どころマップの他に、劇場版も含め『ツルネ』に関する情報がいろいろと貼り出されていた。アニメ本放送時には長野県の地方紙でも大きく取り上げられていたよう。
アニメファンだけでなく、こうして地元の方にも気にかけてもらっている様子を見ることができ、ファンの端くれの1人としてちょっと嬉しくなった。
参拝を終え、次の場所へ…の前に。
神社の参道の石段を下りた先はちょうど家や木々がなく開けていて、眺望がとても良いことから「展望の丘」と名付けられ、少しではあるがベンチも設けられている。
ここも日除けになるあずまやなどはないため直射日光をガンガン浴びることになったが、開放感あふれる景色と青空のおかげでこれまでの移動の疲れが消えていくようだった。
ここで偶然にも、私と同じく『ツルネ』の聖地巡礼で伺去神社に来たという方と会い、少しの間お話をすることもできた。
ネットで検索さえすれば身近でなくとも同好の士を見つけることは出来るが、こうしてゆかりのある場所で実際に会った人と同じ話題の話をするのは、たとえその場限りであったとしても、ネット上でのつながりとは少し違う充足感のようなものを覚えることが出来るのかもしれない、と後になって思った。
聖地9 浅川橋
1話後半で自転車を漕ぐ湊が通過する橋である。長野市内から伺去神社へ向かう道の途中に架かっているが、小さい橋なのでやや分かりにくいかもしれない。
ちなみにこの立ち位置から90度左を向いて見上げると、先ほどの伺去神社の参道入口に建つ鳥居を見つけることが出来る。見つけた時には「さっきまであそこにいたんだなぁ」と少し感慨に浸ってしまった。
聖地10 かっぱの銅像
いよいよ今回の聖地巡礼最後の場所である。合宿中の弓道部男子5人が七緒の「アリバイ」工作のために写真を撮ったとき、一緒に写り込んでいた銅像だ。
この銅像、場所を特定できるヒントが少なくGoogleマップにすらスポット登録されていないため、今回訪れた場所の中で最も難易度が高かった。
長野市内を回っているうちに見つけられるのでは?と少し甘く見ていたのだが、ここまでの間に特定できず。しかしせっかく近くまで来ているはずなのにすごすご帰るのは悔しすぎる。
ということで、警察のお世話に…ではなく交番で聞くことに。
冒頭で紹介した動画を見せ「この場所分かりますか?」と尋ねるも、おまわりさんですらも最初は「どこだこれ…」と漏らす展開。具体的な施設名ならまだしも、この手掛かりだとそうだよな…と不安になりつつも、そこはさすが地元警察の方、映りこむ建物を基に可能性の高い場所を特定。
果たして向かってみると…
いたー!
長野駅から徒歩およそ15分、大通りの片隅にちょこんと立っていた。先入観で脇道ではないかと思い込んでいたため、この立地はまったく思いもよらなかった。
かっぱのすぐそばには、ここを流れる川(南八幡川)について書かれた石碑があったが、このかっぱについての説明は無く、どのような謂れがあるのかは分からずじまい。
と、ちょっとすっきりしない部分があったものの、今回の巡礼計画はこれにて達成。その余韻と現地を後にしなければならない名残惜しさになるべく長く浸るべく、往路と異なり在来線に揺られつつ帰路につきましたとさ。
巡礼を終えて
聖地巡礼でないお出かけもいいのだが、作中のシーンと同じ視点で現地の景色を見ると、現実と作品で描かれた世界とが結びつき、ただ作品を見るだけより作品を好く気持ちが強くなるし、その土地に対する印象も良いものになる。今回もそうだった。
とはいえ、1泊2日のお出かけにしては回る場所を詰め込みすぎたかなとは自分でも思ったが。
『ツルネ』に限らず、ほとんどのアニメは現実の場所をモデルとしつつも、はっきりと明示しているわけではないので(公式自ら明かしていたり、そうでなくてもエンドロールなどで大まかな場所のヒントは得られるが)、今回きっかけになった動画も含め、放送とともにいち早く特定し巡礼する先達の方々のバイタリティに改めて感服した。
聖地と呼ばれつつも今回訪れることが出来なかった場所はあるが、事前準備の時点でノーマークだった、作中で何度か出てきた駄菓子屋とその前にあるバス停(カラーリング的に長電バスのはず)も、どこか実在する場所なのだろうか。また調べて訪れる必要がありそうだ。
補足
要所要所で『ツルネ』のサントラを聴いたが、ゆかりの土地にいるというだけで普段の生活で聴くより何倍も心をわしづかみにされるのでオススメ。
出来る限り自分の好きな楽曲はCDを買って聴きたい派だけど、ネット配信されているとこういうときにとても便利だ。
そして筆を進めている間に映画が公開され、同時に2023年1月からアニメ2期が放送されることも発表された。
ここにきて一気に展開が進もうとしている『ツルネ』の今後が楽しみで仕方ない。