負け癖

「無くて七癖」という慣用句がある。文字通り「どんな人でも多少は癖があるものだということ」という意味で*1 *2、学生の頃にはあまり意識していなかったけど、働きに出てみると、私も無意識にしてしまう言動があるなぁと感じることがちょくちょくある。

最近よく思うのは「負け癖」。

 

仕事がほぼ定時で片付いて、そのまま退勤しても問題ない時でも、明日の準備をしておこうとか、急を要してはいないけど前々から放置していた書類を進めておこうとか理由をつけて、1時間あまり居残ってしまう。

仕事でないときでも、●時▲分の電車に乗るから、■分には家を出発しようと思っていても、■分が近づいてくると戸締まりや消灯が気になったりして、結果■分を過ぎ▲分の電車に乗るために走らざるを得なかったり、ある時には間に合わなかったりしてしまう。

 

それぞれ背景はあって、

残業で言えば、以前に仕事からいつもより早く帰れたと少し弾んだ気分になったのに、次の日に出社してみたら前日の仕事にミスが見つかって凹んだことがあったり、

家を出るときのことで言えば、鍵の締め忘れで空き巣に入られたというニュースを見聞きしたことが脳裏をよぎり、そのようなことを自分は起こすまいと思うあまりの行動だったり。

 

言葉の意味とはズレているかもしれないけど、自分の中ではこういう行動の仕方を「負け癖」と呼んでいる。

自分の中での落としどころとしては「自分・他人の失敗の経験から学んで再発しないようにしているという点で、その時の自分より成長している」と言い聞かせているけど、負け癖は引きずっていても精神的に良いことなんてないし、早いところ脱却したいなぁ。

 

しかし考えてみると、負け癖の対極にあるのって「ポジティブシンキング」なんだろうけど、それを上記に当てはめたら「済んだことは気にしない!何か言われたらその時に考えるんだ!」ってなりそう。

…それってポジティブシンキングというより「開き直り」ではなかろうか。何か違う気がする。

*1:出典:『デジタル大辞泉』© Shogakukan 発行所/株式会社 小学館

*2:記事を見たら「有って四十八癖」と続いていた。初耳。